二匹のインディアン鳩


小学校の4年生の頃だっただろうか、私は鳩を飼いたいと思った。同学年の近所に住んでいたJ君とうい友達が鳩を飼っていて、その鳩たちがJ君にとてもなついていて、それを見ると、うらやましくて、私も鳩を飼いたくなったのだ。

その日は、朝から晩まで、「鳩を飼いたい」、「鳩を飼いたい」と親に許可を求めて頼み込んでいた。でもなかなか親はそれを許可してくれない。でもこっちも必死である。どうしても鳩を飼いたいと思うから、時には涙をつかったりして一生懸命に頼み込んでいた。
すると、夜になってから、親が私に「毎日、自分で水と餌をやれるか?」「毎日お前が面倒をみれるか?」と聞いてきた。
私はここぞとばかりに「毎日、水と餌をやって、自分で面倒をみますからお願いします!」。こうして、やっと私が鳩を飼う許可が下りたのであった。

その時点で、家には鳩はいなかったが、以前私の兄が鳩を飼っていたので、その時使っていた鳩小屋をそのまま使わせてもらうことになった。
次の休みの日に、私は父と二人で小鳥屋にいった。店には色々な鳥がいたが、もちろんお目当ては鳩である。おおきなケージの中に10匹ほどの鳩がいたが、私はその中から綺麗だと思う2匹の鳩を選びだした。一匹は純白の白地に羽の部分が薄茶色で、頭にも茶色の斑点があった。もう一匹は純白の白地に羽の部分が薄灰色で、頭にも灰色の斑点があった。私その鳩たちの珍しくも美しい容貌を見て、どうしても欲しくなったのだ。
私は、その鳩たちに「インディアン鳩」と命名した。




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